教養のある人は知っている「確証バイアス(認知バイアス)」という人の特性 

最近、若手の社員に話したことがきっかけで、けっこう反響があったワードがあります。

「確証バイアス」

あなたは、もう知っているかも知れません。
これは認知心理学や社会心理学の用語で、人間の持つ一つの特性です。
「認知バイアス」とも言われています。

何でもない知識ですが、この事だけで彼らの人を見る視点(パラダイム)に大きな変化があったことにある種の驚きを感じます。

「確証バイアス」は20世紀に入ってからの心理学の理論ですが、
既に紀元前のローマ時代の政治家であり軍人であったユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が残している言葉が
この「確証バイアス」のことをよく表しています。

人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない

普段生活していると、「全く話が通じない、理解してもらえない」
逆に「あの人の言っていることは全く理解できない」
という場面を誰もが経験すると思います。

その原因になっているものの一つが、この「確証バイアス」です。

あなたは、あなたの脳内フィルターを通して情報を受け取っている

RAS(Reticular Activating System)とい人間の脳の機能があります。 盲目状神経系、網様体賦活系という日本語なっています。

これは何かというと、脳の省エネ機能です。
人間の脳は使いすぎると、とんでもないエネルギーを消費するので、全体の機能の数パーセントしか使っていないということを以前にも書きました。

既存で認知しているものをなるべく変更しないように、情報のフィルターをかけます。
情報量を減らせば、省エネで済むということです。

どういうフィルターかというと、自分に都合の良い情報しか受け取らない、受け取れない、ようにするフィルターです。

これはつまり、人間は客観的に物事を判断するということが、極めて不得意だということです。

一部のクリエイティブな才能のある人達はこのフィルターの目が比較的粗く、何でも情報を受け取ってしまいます。
その代償として脳に過剰な負担を課して、精神的に辛い状況に追い込まれてしまう人もいます。
才能ある人が薬物に依存してしまう。 これも一つの要因なのかも知れませんね。

でも、普通な、あなたは大丈夫、しっかりフィルターが働いて、脳を使いすぎることもありませんから、物事を客観視できません。

価値観や思い込みがフィルターとなっている

  • 苦労しなければ成功できない。
  • 学校の勉強なんてどうせ役に立たない。
  • お金持ちはみんな悪いことをしている。
  • 政治家は悪人ばかりだ。

このように、人々の価値観や思い込みは様々です。

つまり、そのフィルターは、あなたの価値観や思い込みをなるべく変えないように出来ています。
なぜなら、価値観や思い込みを変えることで、一時的に混乱して脳のエネルギー消費が増えますからね。

フィルターは「あなたにとって都合の良い情報」しか通さないんです。
つまり、あなたが見たり、受け取ったりしている情報と、あなた以外の人が、見たり、受け取ったりしている情報は同じではない。
ということです。

ここは、スゴイ重要です。

あなたが話している相手とあなたの見ている物事は違うんです。

理解できないのでなくフィルターが働いている

「話しが通じない、理解してもらえない」
「言ってることが理解できない」

これでこの事の原因が少し理解できたのではないでしょうか?

あなたが、客観性を欠いたものの見方をしているのか、相手がそうなのか、お互いにそうなのか...
これは分かりません。
しかし、理解し合うにはお互いのフィルターを根本から見直さないといけません。

互いに、別のフィルターを通した情報の一部、自分に都合の良いものだけをつき合わせても通じるはずがありません。
ひたすら話は平行線です。
お互い理解なんて出来っこありません。

判断や意思決定を誤らないために

まずは、自分が客観的に情報を受け取っていない。
この事をよく自分自身の事として理解することが出来るかどうかです。

「私は客観的に物事見ることができるし、判断できる」

と思わないことです。

ハッキリ言います。
あなたの脳のフィルターは、その思い込みでガチガチに詰まっています。

あなたが、色々な場面で判断や意思決定を誤らないためにはここが重要なんです。

これは、私自身の自戒を込めて言います。
今まで、私がどれだけ人の意見を無視して失敗してきたか!
本当に色々ありますが後悔ばかりです。

ですから、家族や組織の大きな意思決定は必ず単独でせずに、多くの人の意見を聴くことが必要です。

  • お客様へのサービスの改善をお客様の意見を求めずに決めたり。
  • 仕事現場の環境や仕事のやり方の変更を現場の担当者抜きで決めたり
  • 社員の満足度を高めるのに、働く社員の意見聞かずに決めたり

まあ、こんなことが、身の回りの社会では山のようにはびこっています。
もちろん、何でもかんでも意見取り入れたから良いということではありません。
ですが、「こうに違いない!」を「本当にそれでいいのか?」ともう一度見直すことは重要ですね。

感情の基にはそれなりの論理がある

感情的で人の意見をほとんど受け入れられない人がいます。
反対の意見に反応して、それを自分への攻撃と受け取ってしまう人。

私もこういう人と話をするのは苦手だし、なるべく私の意見を言わないようにしてしまいます。
「受け入れてもらうのは難しい」というトラウマになってしまったりします。

感情的で論理的ない人

というのが私の以前の認識でした。
でも、その感情の裏には論理があるということが最近になって分かってきました。

その人のフィルターを通して得た情報による論理がそこにはあるんです。
そこには、その人達のパラダイムがあります。

意見の相違 = 敵
反対意見 = 人格否定

こういう価値観を持っていると、感情的に反発するのは当たり前だし、人の意見を受け付けられないのは当たり前です。

そういう人は、「自分のことを大切にしてくれる人」の言葉しか聞けません。
それも、感情的なのでなくその人の論理なのです。

何でもない知識が人間関係に大いに役立つ

私たちは生活の中で、いろんな場面に出会います。
チョット難しい人と仕事しなければならなったり、地域活動を一緒に進めなければならない。

難しい人というのは、大概
意見を全く聴かない頑固な人や、意見を言うと怒りだしたり、へそを曲げてしまう人です。

気をつかいますよね。
「これを言っても大丈夫かな...」
何時も不安を感じながらコミュニケーションを取ることになります。

けっこう辛いです。
出来れば、付き合いたくないです。

でも、相手の感情や不理解の基にある価値観や思い込み。
これがあることを知っているのと、知らないのとではどうでしょうか?
このたった一つの事を知っていることで

その人のことを理解できるような気がしませんか?
そうです、今までの低い視点から離れて、高い視点から、その人を俯瞰できるんです。

これは実に大きなことです。

スティーブン・R・コビー博士の著書「7つの習慣」の第5の習慣「理解してから理解される」
人は自分のことを理解してくれる人に寛容になります。

しかし、相手のことを理解するのはそう簡単なことではありません。
相手と同じ目の高さで、ものを見ていても理解なんて出来ません。

でも、ここまで記事を読んで下さった方はもう大丈夫。
少し努力すれば、どんな人も理解出来ますよね。

自分の価値観や思い込みを認識する

あなたは、もう相手を理解することができます。
でも、それよりもう少し難しいのは...

自分自身の理解です。

あなた自身が、扱いにくい、難しい人ではどうしようもありません。

「私はそんな、難しい人間じゃないよ」

といっているあなた!
そういう人が一番危険です。

相手だけでなく自分自身をも客観視できることが必要です。

自己認識力

これは、今やビジネスやマネジメントの分野では重要な能力となっています。
相手よりまず自分です。
「確証バイアス」がどれだけ意思決定やコミュニケーションに支障を来たすかを述べて来ました。

自己認識力を高めるための第一歩が、
「確証バイアス」、

これを自分のこととしてよく理解しておくことです。
自己認識力の高め方については、また別の記事で紹介します。

まとめ

  1. 「確証バイアス」はローマ時代から人の特性として認識されていた。
  2. 私たちは、物事をありのままでなく、各自のフィルターを通してしか受け取れていない。
  3. それぞれの価値観や思い込みがフィルターをつくり、各自の都合の良い情報しか受け取らない。
  4. 「話しが通じない」お互いのフィルターが違うから
  5. 自分にもフィルターがあることを認識し、判断や意思決定を間違うことがあることを知っておく。
  6. 感情的で話の通じない相手でもその人の論理がある。
  7. 「確証バイアス」を知れば、人間理解が深まる
  8. 自分自身のバイアスに気付くこと、自己認識力を鍛えることが重要

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ABOUTこの記事をかいた人

黒田 秀明(くろだ ひであき) <経歴> 高等専門学校を卒業 エンジニアとして 外国航路の船員として就職するも2年で退職 フリーターを経て 機械部品の専門商社へ就職 サラリーマン生活を15年 その後取引先の社長と共同出資の会社を立ち上げたが 5年で先が見えず挫折 再就職 現在、再び船舶エンジニアとして人材不足などの問題に取り組んでいる。 副業では生産工場管理データシステムのエンジニアとしてもサービスを提供 <経験したこと失敗談> サラリーマン時代は、ベンチャー部門の立上げに関わり、新規ビジネスの開拓と業務のシステムまで立ち上げたが、あえなく失敗、部門の閉鎖と共に退職。 独立してからはクライアントの機械製造メーカーの業務管理データベースシステム開発を担当 海外繊維製品生産に関わり商品サービスの営業と自社の業務改善に取り組んできた。 煩雑で「めんどくさい」、「ややこしい」ことが大嫌いで そういった仕事の悩みを的確かつ実用的な簡素化したシステムに置き換えることを得意としてきた。 しかし、独立後もサラリーマン時代と同様、業務を軌道に乗せることが出来ず挫折。 ストレスから動悸とめまいの毎日から逃げるように経営から手を引いた。 2度の挫折、 再就職先でのパワハラ 度重なる苦悩を経験したことで、その後、徹底的にメンタル、知識、スキルの弱点強化に取り組んだ。 今までの弱点を強みに変えて業務改善だけでなく、 組織運営、人材育成、メンタル・能力開発 などの悩みに共通のボトルネックを見出し的確で実用的な問題解決策を提示出来る。 その後はこの強みを活かし最速3年で上級職に キャリア30年の先輩と給料を含め同等の仕事をこなす現在 人材不足の問題に取り組み適正人材の採用から高速キャリアップのシステムを内外に提案中 <信条> 敬虔な仏教徒として20年間精進、2007年に得度を受戒